夜間、屋外でアベイラブルライト撮影。M10-D + Noctilux-M 50mm f/0.95、筆者撮影。
アベイラブルライト(英語:Available light)とは、フラッシュなどの撮影の為に使うライトでなく、その場にある光を言う。その場にある光だけを使って撮影することをアベイラブルライト(または、アベラブルライト)撮影と言う。
例えば、室内撮影ならフラッシュを使わないで元々室内にあるライトや窓辺から差し込む光を使って撮影すること、また屋外なら太陽光や月明かり、または建物の明かりや、建物やガラスに反射した光、自動車のライトなど、特別に手を加えずにその場の光だけをアベイラブルライトと言う。
アベイラブルライトを使って撮影することにより見た目通りの自然な空気感を撮影できるというメリットがあり、またストロボやレフ板、特別な撮影用の照明などの道具を使わないのでいつでもどこでも撮影できるというメリットがある。
アベイラブルライトという言葉は割と新しい用語であるがアベイラブルライトでの撮影は、実は写真機が発明された当初から使われてきた撮影技法である。フィルムカメラの時代には、一般撮影でのフィルムのISO感度が25~400程度と低かった(高感度フィルムでもISO1600程度)のでアベイラブルライト撮影を行うにはシャッター速度が遅くなったり、または明るいレンズが必要になったりの制限があった。しかし現代のデジタルカメラは撮影時にISO感度を自由に変更することができ、またISO3200やISO6400などの高感度撮影を行っても十分に高画質の撮影をできるようになり、様々な場面でのアベイラブルライト撮影が容易になったと言える。カメラによっては、ISO10万を超える高感度で撮影も行うことにより月明かり以下の明るさで風景写真さえ撮れるようになった。
暗い室内でアベイラブルライト撮影。M10-D + Summilux-M 50mm f/1.4、筆者撮影。
アベイラブルライトを使った撮影は、その場にある光だけを使うので人間が見たそのままの自然な空気感、本物のような写真を撮影できるというメリットがある。
アベイラブルライトと対照的に、フラッシュライトを使って撮影すると、カメラに近い位置はより明るく、また遠い場所は暗く写ったり、またフラッシュライトによる不自然な影ができたりするがアベイラブルライトによる撮影は、近い場所も遠い場所も見た目の明るさで撮影できる。またフラッシュのような不自然な影は無く、室内撮影を行う際も天井のライトによって発生した自然な影が、見た目の通りに撮影できる。
アベイラブルライトを使った撮影は、その場に元々存在する光や環境光だけを使って撮影するのでフラッシュライトや撮影ライト、レフ版などの特別な道具やサポートスタッフを使うことなくカメラを持った撮影者のみでいつでもどこでも撮影できるというメリットがある。
フイルムカメラやISO感度の低いカメラを使ってアベイラブルライト撮影しようとすると、シャッター速度が遅くなり手ぶれや被写体ブレが発生しやすい、また三脚などのカメラを固定する道具が別途必要になることがあるというデメリットがある。
また、暗い場面でアベイラブルライト撮影を行うと高感度フィルムを使ったり、またはカメラのISO感度を上げて撮影するために撮影写真の画質が悪くなるというデメリットがある。しかし、あえて暗い場面でデジカメのISO感度を上げて撮影することにより写真に粒子感をみせることによりフィルム撮影したような現場の空気感を表現できるというメリットもある。
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