LEICA M10-DのISO感度設定ダイヤル
ISO感度(いそかんど、英語:ISO Sensitivity / ISO Speed)とは、国際標準化機構(ISO)で策定された写真フィルムの規格であり、そのフィルムがどれくらい弱い光まで記録できるかを示す感度を数字で表したものである。
デジタルカメラでは、撮像センサーがどれくらい弱い光まで記録できるかを表す。
一般的な写真フィルムでは、ISO 100、またはもうすこし感度が高いISO 400が一般的である。体育館などの室内でも撮影できる超高感度フィルムはISO 1600のフィルムも存在する。
デジタルカメラでは、標準ISO感度 ISO 100、またはISO 200のカメラが一般的である。
ISO感度の数字が大きいほど感度が高く、より弱い光を増幅して記録することができるようになる。ISO 100の時に絞り値 f8、シャッター速度1/125で適正露出だった場合、ISO感度をISO 200に設定すると感度が2倍になり、「f16、1/125」または「f8、1/250」で適正露出となる。つまり、ISO感度を2倍にすれば絞りを1段絞るか、またはシャッター速度を半分の速度にすることができる。
フィルムカメラ時代には、カメラに入れたフィルムのISO感度を途中で撮影毎に変更することはできなかったが、現代のデジタルカメラは撮影毎にISO 感度値を変更することもできる。
また、ライカのデジタルレンジファインダーカメラを含めて現代のデジタルカメラにはISO感度自動設定機能が付いている。上記ライカM10-DのISO感度設定ダイヤル写真では「A」がそれにあたる。「ISO感度自動」に設定すると、絞り値とシャッター速度を好きな値に設定すると、その設定に合わせてISO感度が撮影後とに自動的に変わり適正露出で撮影できるので突然のシャッターチャンスに強い、絞りやシャッター速度を意図した設定値で撮影できるなどのメリットがある。
デジタルカメラにおいて通常使用可能なISO感度範囲を常用ISO感度という。ライカM240の常用ISO感度は200~3200、M10-Dの常用ISO感度100~6400である。実際は常用ISO感度のさらに低感度、高感度域のISO感度も設定できるが常用ISO感度の範囲外で撮影するとダイナミックレンジが低くなったりノイズが発生しやすくなるというデメリットがある。
一般的に、そのデジタルカメラの常用ISO感度のうち、一番低感度のISO感度で撮影した時に一番画質が良くなる。ISO感度を上げるほど、ざらざらしたようなノイズが発生する。
自分の使っているカメラの常用ISO感度はいくらか、またはどれくらのISO感度で撮影した時にどれくらいのノイズが発生するかは事前に認識しておくことにより作品作りに生かせるだろう。
ISO 3200、ISO 6400、ISO 12800とISO感度を上げるほど画面上のノイズが増えてくるがAdobe Lightroomなどの現像ソフトを使うことによりノイズを除去、または低減できる。
Adobe Lightroomで現像する際に「ディテール」設定パネルの中の「ノイズ軽減」「輝度」の値を変更することによりノイズ軽減度合いを調節できる。ノイズ軽減値を上げるほど、ざらざらしたノイズが減るが代わりに写真を等倍表示するとぼやけてみえるようになる。筆者は、高感度撮影した際にはこの「ノイズ軽減⇒輝度」の値を10程度に設定している。
常用ISO感度の最高値が高い方がより、暗い場面でもノイズ少なく撮影できるというメリットがある。
逆に、常用ISO感度の最低値が低い方が、日中の屋外などの明るい場所でも絞りを開いて撮影できるというメリットがある。
ライカのNOCTILUX f/0.95やSUMMILUX f/1.4などの明るいレンズを絞り開放付近で撮影したい時には常用ISO感度の最低値がより低いカメラを使いたくなるだろう。
ライカM240の常用ISO感度下限値はISO 200だったのに比較して、M10以降のカメラではISO 100が使えるようになった。ISO 100を使うことにより、ISO 200のカメラと比較すると1段絞りを開いて撮影できるメリットは大きい。
常用ISO感度を最低値にしても絞り開放できない時、もっと絞りを開きたい、ISO感度を低くしたい、という時に役立つのがNDフィルターである。NDフィルターはレンズに入ってくる光の量を減らすことができるフィルターであり、ND2フィルターなら絞り1段分、ND4なら絞り2段分、ND8なら絞り3段分の光軽減効果がある。
明るい場面で絞り開放撮影したい場合、または川や滝や海を撮影する際にスローシャッター撮影して水の流れを表現したい、、明るすぎる時にはNDフィルターを使うことによりスローシャッターを使えるようになる。
関連用語:
2020/7/16 ライカ M10-R レビュー
2020/3/2 ライカ、レンジファインダーでフォーカス合わせをしやすくする方法
2019/10/16 アベイラブルライトとは
2019/10/13 ライカでニコンのスピードライト(ストロボ)を使う方法
2019/10/12 ライカを100倍楽しむ、Adobe Lightroomの使い方
2019/9/7 ファームウェアとは
2019/9/2 クロップとは
2019/8/14 パララックスとは
2019/8/11 中古レンズの選び方
2019/8/11 基準長とは