ライカには単焦点レンズを中心に多くの優れたレンズがラインナップされている。中古レンズやサードパーティレンズを含めるとその数は膨大になる。ここでは、多くのライカレンズの中からあなたにおすすめのレンズを選ぶためのヒントを紹介する。
レンジファインダーカメラであるM型ライカはそのレンジファインダー(距離計)と連動してマニュアルフォーカスするための伝統的な焦点距離がある。M型ライカのレンジファインダー(距離計)は次の焦点距離に対応している。
焦点距離 | 対応するM型カメラ |
---|---|
28mm | M6以降(1984年~) |
35mm | M2、M3、M4、M5、M6以降(1984年~) |
50mm | M2、M4、M5、M6以降(1984年~) |
75mm | M6以降(1984年~) |
90mm | M2、M3、4、M5、M6以降(1984年~) |
135mm | M3、4、M5、M6以降(1984年~) |
レンジファインダー(距離計)に対応したマニュアルフォーカスを行うなら上記焦点距離の中から選ぶ必要がある。ライカレンズ、最初の1本はこのレンズがおすすめで紹介した通り、最初の1本を選ぶなら50mmレンズ、または35mmレンズがおすすめだ。
ライカの作例サイトの作例数でレンズ所有数上位の焦点距離は標準系レンズは50mm、35mm、広角系は28mm、21mm、望遠系は90㎜、75mmである。
ライカレンズは、明るさ(開放絞り値)の違いによりレンズ名に次の名称が付けられている。
名称 | 読み方 | 説明 | 作例 |
---|---|---|---|
NOCTILUX | ノクティルックス | F0.95~F1.25レンズの名称 |
Leica Noctilux-M 50mm ASPH. Leica Noctilux-M 75mm ASPH. 作例 |
SUMMILUX | ズミルックス | F1.4レンズの名称 |
Leica Summilux-M 21mm ASPH. Leica Summilux-M 24mm ASPH. Leica Summilux-M 35mm ASPH.作例 Leica Summilux-M 35mm 作例 Leica Summilux-M 35mm ASPH.作例 Leica Summilux-M 50mm Leica Summilux-M 75mm |
SUMMICRON | ズミクロン | F2.0レンズの名称 |
Leica Summicron-M 35mm 作例 Leica Summicron-M 50mm 作例 Leica APO-Summicron-M 50mm ASPH. 作例 Leica APO-Summicron-M 75mm ASPH. 作例 Leica APO-Summicron-M 90mm 作例 |
SUMMARIT | ズマリット | F1.5~F2.5レンズの名称 |
Leica Summarit-M 35mm 作例 Leica Summarit-M 50mm 作例 Leica Summarit-M 75mm 作例 Leica Summarit-M 90mm 作例 |
ELMARIT | エルマリート | F2.8レンズの名称 |
Leica Elmarit-M 21mm 作例 Leica Elmarit-M 28mm 作例 Leica Elmarit-M 90mm 作例 |
ELMAR | エルマー | F3.4~レンズの名称 |
Leica Super-Elmar-M 18mm ASPH 作例 Leica Super-Elmar-M 21mm ASPH 作例 Leica Elmar-M 24mm ASPH 作例 Leica Macro-Elmar-M 90mm 作例 Leica Tele-Elmar-M 135mm 作例 |
上記に含まれない現行レンズは M型ライカ 現行レンズリスト(公式サイト)で確認できる。
開放レンズが明るいほどレンズは大きく、かつ高額になる。
開放レンズがf/2のズミクロンはレンズも小型軽量、かつ価格もそれほど高額でなく、かつ絞り開放からシャープな写りになるライカの標準開放絞りレンズである。
f/1.4クラスのズミルックスが一般的な明るいレンズと呼ばれる開放絞り値であるがズミクロンと比べると若干周辺部が甘くなり(良い表現ではソフトな描写になり)ライカレンズらしい美しい描写を楽しめる。
f/1.25以上の明るいNOCTILUXレンズは飛び道具的なレンズである。NOCTILUXで撮影すると周辺部には大きく周辺減光が現れ、他社製レンズでは味わえない幻想的な写真を撮ることができる。しかし、NOCTILUXはレンズが大きく、重くてかつ価格も高額、普段使いにはおすすめできないので使う機会も少なく一般的にはおすすめできない。
ライカレンズの内、レンズ名に「APO」が含まれるレンズはアポクロマートレンズ呼ぶ色消しレンズが含まれており色収差が抑えられカラー写真撮影時にも美しい写真を撮影することができる。現行のM型ライカレンズでは、ライカ アポ・ズミクロン M f2.0/50mm ASPH.、ライカ アポ・ズミクロンM f2/75mm ASPH.、ライカ アポ・ズミクロンM f2/90mm ASPH.、ライカ アポ・テリートM f2/135mm ASPH.がAPOレンズが存在する。
M型ライカのレンズは、モーターや電子機器が含まれていないふるいマニュアル操作を行うレンズであり60年以上昔に製造されたレンズも丁寧に手入れされていれば現行のM型ライカでそのまま使うことができる。
オールドレンズは現代のレンズにないソフトな描写、周辺減光、逆光に弱いなどの特徴もあるがそれが味わい深い写真になりライカユーザーには今でも人気である。筆者も60年前に製造されたSummicron-M 50mm f/2 1st、Summilux-M 50mm f/1.4 1st(貴婦人)を所有しておりその写りを楽しんでいる。
オールドレンズの選び方については別途詳細記事掲載する予定なのでお楽しみに。
M型ライカで使用できるレンズはライカ以外のメーカーからも発売されている。ライカ純正レンズと比べると価格は数分の一と安いにも関わらず良い写りのレンズもあり、予算が少ないがレンズの焦点距離のバリエーションを増やしたいときなどはサードパーティレンズの選択肢の一つとしておすすめである。例えば国内会社コシナが製造しているVoigtlander(フォクトレンダー)や、ドイツのCarl Zeiss(カールツァイス)レンズは世界的に有名でありプロのカメラマンもM型レンズと組み合わせて使っているほどである。
ライカ以外のカメラ、レンズを所有している場合、マウントアダプターを使うことにより、NIKON、CANON、SONY、ミノルタ、オリンパスなど他社製のレンズをM型ライカで使うこともできる。ライカレンズを購入するまでの一時的に手持ちのレンズ資産を生かした撮影を行う際には役立つだろう。
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