ライカ ブライトフレームの種類、仕組み、見え方

2019/8/11更新

M型ライカ ブライトフレームの仕組み、見え方

ブライトフレームとは、ファインダーを覗いた際に撮影範囲を示す明るく浮き上がって見えるフレームのことを言う。日本語で視野枠とも言う。

ライカのレンジファインダーカメラであるM型ライカのファインダー覗くと次のように見える。

ライカ ブライトフレーム
ライカ M240のファインダーで見たブライトフレーム

上記のイメージ写真の白い枠をブライトフレームという。M型ライカでファインダーを覗くことはカメラに開いたガラスのぞき窓を覗くようなものである。ガラスののぞき窓のため、目の前が情景全体の広い範囲を見ることができその中に上記写真の通り写真の写る範囲が白い枠で表示される。なお、M240よりも昔のM型ライカは採光窓から入光した自然光を使ってブライトフレームを表示していたが、M240以降のM型ライカはカメラ内部のLED証明によりブライトフレームを表示する。M240以降のM型ライカでは、ブライトフレームの枠を白、または赤色どどちらかを選択できる。

レンズを交換すると、レンズの焦点距離により自動的にブライトフレームの大きさが変化する。広角レンズをカメラに装着するとブライトフレームはより大きくなり、また望遠レンズを装着するとブライトフレームの枠の大きさは小さくなる。

上記イメージ写真には大きな四角い枠とその内側に小さな四角い枠の2種類が表示されているが外側の枠は50mmレンズの撮影範囲、内側の枠は75mmレンズの撮影範囲を意味する。

M型ライカ ブライトフレームの種類

M型ライカではレンズの焦点距離の違いにより自動的に次の3種類のブライトフレーム枠が表示される。

使用するレンズ焦点距離 ブライトフレームの大きさ
35mmレンズ、135mmレンズ 35mmと135mm
50mmレンズ、75mmレンズ 50mmと75mm
28mmレンズ、90mmレンズ 28mmと90mm

なお、昔のライカはブライトフレームの種類が少なく機種により次のブライトフレームが表示された。

ライカ カメラ ブライトフレーム
M2 35mm / 50mm / 90mm
M3 50mm / 90mm / 135mm
M4、M5 50mm / 90mm / 35mm・135mm
M6以降 50mm・75mm / 28mm・90mm / 35mm・135mm

M型ライカ ブライトフレームの見方

M型ライカではレンズの焦点距離に合ったブライトフレームが自動的に表示される。ライカM9以前のM型ライカではカメラボディ前面の採光窓からの入光を使ってブライトフレームが表示されたがM240以降のM型ライカはボディ内のLEDによりブライトフレームが表示される。

レンズを交換してもファインダーを覗いた時に見える像の大きさは変わらず、ブライトフレームの大きさが表示されるつまり、広角レンズを使うとより大きなブライトフレームが表示され、望遠系レンズを使うと小さなブライトフレームが表示される。

M型ライカで撮影するとファインダー内のうち、ブライトフレームで表示される範囲が写真として記録される。ボディ前面からカメラを見ると、レンズの右上にファインダーが付いている。レンズを通してボディに入る像とファインダーを通して見る像は目の位置が異なるので撮影距離によって視差が生じる。人間でいうと、右目で見る像と左目で見る像に若干の違いがあり、より近くを見るほどその差が大きくなる、この差を視差という。M型ライカはフォーカスリングの距離指標により機械的に自動的に視差を補正する仕組みがあり、フォーカス指標を近距離にするとブライトフレームは微妙に右にずれる(撮影範囲が、ファインダーから見ると相対的に右になる)。ライカがこの自動的に視差を補正するブライトフレーム今から60年以上昔に発明、実装していたこと、そしてその仕組みが今の最新Mマウントレンズ、Mマウントボディのカメラでそのまま使えるのは奇跡であると思う。

M型ライカ ブライトフレームの外側も見える、視野率100%以上

ファインダーを覗くと撮影範囲がブライトフレームの白い枠で表示されるということ、これは、つまりブライトフレーム(=撮影範囲)の外側までファインダーで見ることができるということである。国産の一眼レフ、ミラーレスカメラでは高級機種でも視野率100%である。つまり、ファインダーを覗いても撮影範囲の外側を見ることができない。

M型ライカは視野率100%以上である。撮影範囲の外側まで見える。ファインダーを覗いてスナップ撮影する際に今、ブライトフレームに入ってくる瞬間を撮影したり、または撮影範囲の外側まで見ながら素早くフレーミングすることができる。M型ライカのブライトフレームを見ながら写真撮影することは、一眼レフで撮影を行う感覚とは異次元の感覚である。一眼レフの撮影がファインダーを見ながら「撮影範囲を探す」感覚であるのと比べて、M型ライカのファインダーを使って撮影するのは目の前の空間から「撮影範囲を切り取る」という感覚である。「この空間を切り取る」という感覚は一眼レフでは味わえない、本当に心地よい感覚なのだ。

ブライトフレームは撮影範囲の外側まで見えるので動く被写体を撮影する際に被写体が撮影範囲に入ってくるタイミングを知ることもできる、まさにスナップ撮影に最適なカメラである。

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