LEICA M10-D、Summicron 50mm f/2 1st(筆者撮影)
カメラには二種類しかない。ライカかそれ以外かだ。ではライカとそれ以外のカメラは何が違うのだろうか。
M10-D + NOCTILUX 50mm f/0.95で筆者撮影(2019/2/9 東京、銀座にて)
ライカで撮影した写真は一目でライカ撮影したことが分かるくらい国産一眼レフやミラーレスカメラで撮影した写真とは写りが異なる。
左からLEICA M10-D(2018年製)、M240(2013年製)、M3(1958年製)(筆者撮影)
ライカの中で一番他のカメラと異なる特徴的なカメラがレンジファインダーカメラであるM型ライカだ。一般的に、「ライカ」と言えばM型ライカを指す。
上記写真右のLEICA M3を見ていただきたい。1954年発売のライカM3はその時点で完成された美しい形をしていた。発売から60年以上経過した今M3を見てもに美しいと思う。写真左のLEICA M10-Dを見ると60年前に発売されたM3とほぼ同じ姿であることがわかる。M3で完成されたM型ライカはその姿は変わらなくても中にはデジカメでありスマホと連動もできるほど最新のテクノロジーが詰まっている。最新のテクノロジーが入っていながら捜査感や手に持った感触は60年前と変わらないアナログ感覚を持ち続けている。
M型ライカはレンジファインダー(距離計)を使うマニュアルフォーカス専用カメラである。M型ライカにはオートfォーカス機能も自動絞り機能も付いていない。国産の一眼レフやミラーレスカメラ、またはスマホはシャッターボタンを押すだけで自動的に写真を撮影できるがM型ライカは違う。レンジファインダーカメラであるM型ライカはマニュアルフォーカスの操作方法が国産一眼レフやミラーレスカメラとは全く異なる。
M型カメラは、国産一眼レフやミラーレスカメラと比べて撮影時に面倒なマニュアル操作が必要なのに、なぜライカで撮影すると楽しいのだろう。なぜライカはこれほどまで人々を魅了するのだろうか。
M型カメラは、マニュアル操作が多い分自分の思い通りの写真を撮影することができる。M型カメラのファインダーを覗くと全体がクリアに見える(一眼レフはピントが合った箇所だけがクリアでピントが合っていない箇所はぼけてみえる)。またM型カメラはファインダー内に撮影される範囲が白いブライトフレームで表示される。つまり撮影する範囲の外側も見えるのだ(視野率100%以上)。しかし国産一眼レフやミラーレスカメラ、またスマホのカメラも撮影する範囲しか見えない(視野率100%以下)。このファインダーの違いから、ライカのレンジファインダーを覗いて撮影する感覚は自分自身でフレーミングして、フォーカスリングを回して目の前の3D空間から「撮影範囲を切り取る」感覚だ。国産一眼レフやミラーレスカメラはファインダーを覗いて「撮影範囲を探す」感覚だ。この感覚の違いはレンジファインダーを実際に使って見ないと伝わりづらいかも知れないが、M型ライカのレンジファインダーで撮影することにより目の前の光景を空気感まで含めて撮影することができ、そしてライカで撮影することが楽しいと感じるのだ。
LEICA M10-D(左)は、NIKON D6(右)と比較するとボディもレンズも圧倒的に小さい(筆者撮影)
M型ライカはフルサイズセンサーと呼ばれる24mm × 36mm(フィルムと同じ大きさ)のセンサーが搭載されている。同じセンサーサイズの国産一眼レフやミラーレスカメラと比べると、カメラもレンズも小型で軽量だ。
M型ライカは小型軽量のため、お散歩カメラとしては最適でありまた小型軽量でシャッター音も小さいので相手を威圧することなく自然な姿を撮影することができる。だからM型ライカはスナップ撮影に最適と言われている。
そんなM型ライカにも欠点がある。オートフォーカス機能が付いていない、連射に弱い、レンジファインダーの仕組み上望遠系撮影に弱いなどの欠点があるのでスポーツ撮影には向かない。しかしスナップ撮影や自然な姿を撮影するには最強のカメラである。
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