ライカで写真を撮るのが楽しい。筆者は随分と昔の高校生時代にアルバイトで貯めたお金で中古の一眼レフを購入して以来、写真を撮ることが好きだ。撮影することが楽しいと思う。
今は主にライカ M10-Dを使っている。ライカで写真を撮ることはとても楽しい。ライカで撮影することがなぜ楽しいのだろうか。自分自身の気持ちを自分で分析しながらその謎を解いてみようと思う。
写真を撮るのがなぜ楽しいのだろうか。初めて一眼レフを手にして写真を撮った時に感じた楽しい気持ちを思してみよう。
普段生活していても何気なしに美しいと感じる瞬間がある。部屋の窓の外に見える朝焼けだったり、雨上がりの濡れた地面だったり、一面の菜の花だったり、緑色に輝く木々の葉っぱだったり、初めて訪問した街角の光景だったり。
もしカメラが無かったらその美しい光景は一瞬で忘れてしまうことだろう。目の前に見たものを写真に記録することによりその時その場所で感じた感動を思い出すことができる。写真を撮るということは目の前に見た映像を単に記録するだけでなく、その時感じた気持ちまで記録すること、感動貯金のようなものかも知れない。
その一瞬は2度と訪れない。瞬きの一瞬を記録するタイムカプセルのようなものかも知れない。
ライカで撮影した写真は、国産一眼レフやコンパクトカメラまたはスマホで撮影した写真とは明らかに異なる写真に仕上がる。いや、正確には国産一眼レフと同じように撮れることもあれば全く異なる美しい仕上がりになることがある。
ライカのシャッター音は一眼レフよりも小さい。国産一眼レフのシャッター音が「ガシャン」または「(連写の場合は)ガガガガッ」という大きな音が鳴るのと比べて、M型ライカのシャッター音は「コトン」または「プシュン」と本当に目の前で小さなシャッター音が鳴る。
M型ライカのシャッター音は一眼レフカメラと比べて小さいのでスナップ撮影を行う際に、撮影されていることを意識されることなく自然な姿を撮影することができる。
M型ライカは、レンジファインダーで覗いた目の前の空間をファインダー内のブライトフレームで切り取る感覚で撮影する。一眼レフやミラーレスカメラが視野率100%であるのと比べてM型ライカ、またはライカQ2の35mm以上でのクロップ撮影を行う場合は視野率は100%以上である。つまり撮影される範囲の外側までファインダー内で見ることができる。
また、レンジファインダーカメラのファインダー内はその仕組み上、フォーカスリングを回すことなくファインダー内全体がぼけることなく全体にピントが合って見える。レンジファインダーカメラは、ガラス窓から向こうを覗いているような感覚だ。暗いレンズを使っても一眼レフのようにファインダー内が暗くなることなく明るくクリアに見える。
一眼レフやミラーレスカメラがファインダーを覗いて「撮影範囲を探す」感覚であるのと比べて、M型ライカで撮影するのは目の前の3D空間から「撮影範囲を切り取る」という感覚である。「この空間を切り取る」という感覚が本当に心地良いのだ。
最近の一眼レフやミラーレスカメラ、コンパクトデジカメはフルオートで撮影を行う。シャッターボタンを押すだけで写真が撮れてしまうのと比べると、M型ライカは絞りもフォーカスも自分でレンズリングを操作して撮影する。
一眼レフやミラーレスカメラ、と比べるとマニュアル操作が必要な分撮影に手間がかかるピントが外れて失敗写真になってしまうこともある。
何もかもがフルオートの一眼レフやミラーレスカメラで写真撮ることは、あなたが写真を撮ると言えるだろうか。一眼レフやミラーレスカメラで撮影する時、あなたは写真を撮るタイミングをカメラに指示するだけ、「あなたが写真を撮る」のでなく「カメラとレンズが写真を撮っている」のではないだろうか。
M型ライカで写真撮影を行うと「自分が写真と撮っているんだな」という感覚を味わうことができる。今から30年以上も昔、まだデジカメがこの世に無かったころ、オートフォーカスカメラも存在しなかった時代にフィルムカメラを使って、1枚撮影する度に「露出」「シャッター速度」「フォーカス」「フレーミング」を決めて1枚1枚の写真を撮影するのが本当に楽しかった。筆者が学生時代の当時、フィルムも現像代も高価だったので1枚1枚の写真を本当に大切に撮影した。M型ライカはデジカメになり、絞りオートやISOオート設定などの機能も付き当時のフィルムカメラと比べると便利に撮影できるようになったが、絞りやフォーカスなどの写真撮影するにあたり重要な設定については自分の手で操作するという楽しみを残してくれた。
フルオートの一眼レフやミラーレスカメラで撮影することは「カメラが写真を撮る」のと比べてM型ライカは「自分が写真を撮る」という感覚だ。絞りをを決めることも、フォーカスを合わせることまで含めて写真撮影の楽しさを味わうことができる。
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