ライカはなぜ高いのか。最新のM型ライカM10-Pのボディーの価格は2019年9月現在98万円(税別)である。消費税を含めると100万円を超えてしまう。国産の高級カメラの価格と比べてみるとニコンのフラグシップ一眼レフNIKON D5は645,000円(税別)、キヤノンのフラグシップ一眼レフCANON EOS-1D X Mark IIは672,500円(税別)である(いずれもヨドバシカメラの価格で調査)。量販店での実売価格を比較するとライカM10-Pは税込価格で約100万円に対してNIKONおよびCANONのフラグシップ一眼レフの価格は約50万円(税込)でありその価格差はライカが2倍も高いのである。
レンズの価格の高さをライカ社は国産カメラメーカーのレンズと比較すると圧倒的に高い価格設定である。標準レンズ50mmレンズf/1.4の価格を比較すると、ライカ Summilux-M 50mm f/1.4は実売価格約50万円、ニコンとキヤノンの50mm f/1.4レンズの実売価格は約5万円である。その価格差は10倍もある。
ライカ社のカメラやレンズはその価格の高さ故、カメラが欲しいからといって誰もがそう簡単に購入できるものでは無い。ではライカはなぜ高いのか?ライカの発売するカメラのボディやレンズが高い理由、そしてライカは本当に高いのか考察してみよう。
ライカのカメラボディ素材を見ると、トップとボトムカバーは無垢の真鍮素材から削りだされておりブラッククロームメッキ、またはシルバーメッキクロームされている。国産のカメラメーカーが発売するカメラは一部カメラにはマグネシウムの金属素材が使われているもののプラスチック素材が多用されている。
真鍮で作られたライカのカメラボディはたとえ長期間使ったとしてもブラックペイントやクロームメッキが剥がれてきても中から真鍮が見え割れることは無い、耐久性も高い。国産のプラスチックボディで作られたカメラは新品のカメラがブラックボディでも長期間使い一部が傷ついたり表面の黒いペイントが剥がれると中からは灰色などのプラスチック素材が顔を現す。手で触れるとライカは小型ながらもずしりと重量感があり手に持った感触が心地良い。プラスチック製の国産カメラは手で触れるとプラスチック感があり安っぽく感じる。
ライカはレンズの素材にも高品質な素材が使われている。カメラレンズの命であるレンズはライカ社がのカメラがガラスなどの高価な素材が使われているのに対して、国産の低価格レンズは一部に樹脂製のレンズが使われている場合もある。ライカレンズの外装は真鍮やアルミなどの金属製で精密に作られており、基本的にマニュアルフォーカスであるMマウントレンズは電子部品は使われておらずその耐久性は、60年以上経過したレンズを今でも使えるほどに高耐久である。国産のカメラレンズは外装もちろん、内部にもプラスチックが多用されており、一部両面接着テープで張り合わされているレンズもある。国産レンズは基本的にオートフォーカスレンズのため内部にはモーターや電子回路などの電子部品が使われており外装はもちろん内部部品の耐久性を考えると長くても10~20年経過すると故障したり古くて使えなくなってしまう。
ライカのカメラボディは製品サイクルが長く、国産カメラのように1年経過すると型落ちの古いカメラになってしまうことは無い。例えば2013年に発売されたM240は2019年現在もまだなお現行製品として販売されており、筆者も2013年に購入したM240を今でもお散歩カメラとして使うことがある。ライカM240の2013年現在の実売価格は約90万円であったが現在も中古市場では50万円程度で流通している。5年以上経過しても型落ち感は少なく、急に値崩れすることは無い。
国産カメラを見ると、発売から5~6年経過するとフラグシップ機で中古価格は新品価格の1/3~1/4まで値崩れする。エントリー機ともなるとさらに値崩れしてしまう。
ライカのボディやレンズは確かに高い。しかしそのクオリティや長く使える耐久性や値崩れしづらい点を考えると長い目で見ると費用対効果は高いと言えるだろう。
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